ドッグフードに使用される保存料

ドッグフードには、保存料や酸化防止剤を使用しているものを多く見かけます。
「保存料」の文字を見るとなんとなく身体に悪そうな印象を持ってしまいますが、そもそも保存料はなぜ必要なのでしょうか? また、使用しても問題のない保存料とはどのようなものがあるのでしょうか?

1.保存料とは?

保存料は、製品の品質を保持するために使用されます。
ウェットフードに使用されることが多く、水分量の少ないドライフードにはあまり使用されません。
酸化防止剤はドライフードに使われることが多く、酸化を防いで開封後にも保存がきくようにするものです。
ほとんどのドライフードは、肉や魚などの油を含んだ材料を使用します。
それらの油脂は一度開封して酸素に触れると、酸化しやすくなるという性質をもっています。
どんなに新鮮な食材を使用したプレミアムフードでも、酸化させてしまっては意味がありません。
酸化したフードは、風味が損なわれて食いつきが悪くなったり、品質そのものが低下して、油脂が「過酸化脂質」という身体に悪い物質に変化したりします。
過酸化脂質は長期的に与えていると、動脈硬化やがん、心臓疾患などの病気の原因となります。

このように、酸化したフードを与えることは健康面からみても問題ですが、保存料を一切使用しないフードは、品質を保ったままで開封後も保存するのが難しいのです。

2.でも、保存料って身体に悪いのでは?

確かに、合成保存料には発がん性物質の含まれるものや、アレルギーを発症する可能性のあるものなど、身体に悪い影響を及ぼすものが多いです。
そこで、合成保存料と同様の効果のある天然由来の保存料を使用することで、そのようなリスクを回避しているフードがあります。
ドッグフードによく使用されるものとして、このようなものがあります。
  • ビタミンC…柑橘類や野菜から得られる水溶性ビタミン
  • クエン酸…柑橘類などに含まれる酸味の主成分
  • ミックストコフェロール(ビタミンE類)…植物性油脂から得られるビタミンE類
  • 緑茶抽出物…茶葉から得られるカテキン
  • ローズマリー抽出物…ローズマリーの葉や花から得られる成分
このような自然の保存料を使用したドッグフード
であれば、身体への影響は少ないと思われます。
ただし、長期的な保存には向かないという欠点もあるため、人工保存料使用のフードよりも消費期限が短いドッグフード製品が多いです。
開封後は極力短期間で消費しきることを基本とし、ドッグフードの保存には工夫が必要になります。
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