高タンパクのドッグフード
高たんぱくなドッグフードは、犬の身体でどのような効果をもたらすのでしょうか?
1.たんぱく質のはたらき
(1)身体を構成する
筋肉、骨、爪、皮膚、被毛、血液、内臓など、犬の身体のすべてはたんぱく質でできています。犬のたんぱく質の必要量は、人間の3~4倍ともいわれるほどです。
不足すれば筋肉が衰え、骨が弱くなり、内臓もダメージを受けます。
皮膚や被毛のツヤがなくなるなど外見からも分かるような変化が起き、皮膚炎をはじめとした皮膚病にかかりやすくなったりします。
(2)代謝、免疫を担う
細胞の中にある酵素は代謝の役割を担っていますが、その酵素もたんぱく質からできています。更に、免疫細胞を作っている造血組織にもたんぱく質が必要です。
代謝と免疫は、生命維持には欠かせない身体のはたらきです。
たんぱく質が不足して始めに影響が出るのは、免疫系ともいわれています。
健康体の時にはかからないような病気にかかりやすくなったり、寄生虫に感染したり、下痢が治りづらくなったりします。
2.たんぱく質の種類
たんぱく質には種類があります。(1)動物性たんぱく質
肉、魚、牛乳、卵など動物性の食品に含まれています。(2)植物性たんぱく質
米、小麦、とうもろこしなどの穀物、豆、野菜など植物性の食品に含まれています。このうち、より犬の身体に適したたんぱく質は動物性たんぱく質です。
植物性たんぱく質の多い穀物や野菜は、肉食として生きてきた犬にとっては消化吸収しづらく、消化しきれなかった炭水化物は、糖分として身体に蓄積されてしまいます。
それに対して動物性たんぱく質は、消化吸収しやすく体内でエネルギー源として効率的に利用され、とりすぎたとしても脂肪になりにくいのです。
痩せさせる必要があるのであれば、むしろ肉などの動物性たんぱく質を主に与えるべきです。
3.高たんぱくなドッグフードを選ぶ
高たんぱくのフードといっても、量ばかりが多ければよいということではありません。新鮮な肉や魚を使った、質の良いたんぱく質を摂取することで、さらに効率よく身体に取り込めると考えます。
とくに鹿肉は高たんぱくで低脂肪であることから、数々の高たんぱくフードに使用されています。
「高たんぱく」と表示があるフードが主原料にどのような食材を使っているか、チェックしてみましょう。
高たんぱくのフードは、犬の一生においてどのライフステージでも必要性の高い栄養素ですが、成長期、妊娠・授乳期、高齢・老齢期は、成犬期に比べてさらにたんぱく質の量が求められます。
また、多くのたんぱく質を与えられたパフォーマンス犬は、たんぱく質の摂取量を抑えられた犬よりも、能力や成績がアップしたという研究結果があります。
厳しいトレーニングにおいても、たんぱく質摂取で筋肉や骨が強化されたことによって、ケガをしづらかったということも分かっています。
獣医師の指示でたんぱく質量の制限をしている場合はその限りではありませんが、愛犬の健康的な一生のために、ぜひ参考にしていただきたいと思います。