ドッグフードの味

ドッグフードは、人間の味覚からいえばとても薄い味になっています。
そんな薄味のフードでも、犬は美味しく食べられているのでしょうか?

1.犬の味覚

犬の味覚は、自然界で生きるために発達しました。
美味しいと感じるものは食べられるもの、美味しくない(苦い)と感じるものは食べられないものと判断するためです。
さらに、食べられるものの中でも甘いものはエネルギー源として、塩味は身体の電解質を保つため、その時身体に必要なものを摂取できるよう、味は大切な判断基準となっていました。
しかし、犬は人間に比べて味覚細胞の数が5分の1程度と少なく、感じられる味の種類も、甘味、塩味、酸味、苦味の4種類しかないようです(人間は旨味を加えた5種類を感じられます)。
4つの味覚の中一番強く感じられるのは甘味ですが、塩味を感じる味覚細胞が少ないため、塩味はほとんど分からないといわれています。
甘いものが好きな犬が多いのはこのような味覚をしているからだったのですね。

2.犬の嗅覚

未発達の味覚を補うように、犬には優れた嗅覚があります。
新しいフードやおやつを与えるときに、クンクンと鼻で匂いを嗅ぐしぐさをしますが、これは味覚よりも嗅覚で食べ物の安全性を判断したり、美味しいかどうかを理解しているからです。
犬の味覚は嗅覚に大きく依存しているということがわかります。
人間と同様味の感じ方や好みには個体差があるようですが、薄味のフードでも、犬にとっては問題ないのです。

3.塩分の調整

もちろん、犬の生命活動にも塩分は少なからず必要です。
しかし、人間が食べて美味しい、または味が濃いと感じるほどの塩分は、犬にとっては塩分過多となることがあります。
塩分のとりすぎは内臓に負担をかけ、病気のリスクを高めます。
一度味の濃いものを与えると、癖になって欲しがるようになってしまい、ドッグフードを食べなくなることがあります。
人間用の食べ物を与える人がいますが、愛犬の身体のことを考えるのであればやめたほうが良いでしょう。

人間と犬では美味しいと感じる感覚に違いがあります。
たとえ人間からみて薄味のフードでも犬はちゃんと食べてくれますし、飼い主として一番気にするべきことは、味のことより栄養を考えた食事です。